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黒松と路地

黒松と共生した町並み

黒松アートの傑作

切り込み式の瓦と調和する黒松アートの傑作(菅野2丁目)

 黒松の群生地として知られる市川市の菅野、新田地区。この辺りはかつて市川砂州といわれ真間のほうまで入江が続いていた。防風林の名残りである黒松は樹齢を重ね、今やすっかり屋敷林として住宅地にとけ込んでいる。

 

道路の真ん中付近から生えている黒松(新田1丁目)

道路の真ん中付近から生えている黒松(新田1丁目)

黒松が道端から群生する密集地(平田1丁目)

黒松が道端から群生する密集地(平田1丁目)

古い商家と黒松、ノスタルジックな風景(菅野2丁目)

古い商家と黒松、ノスタルジックな風景(菅野2丁目)

都市部に約4000本が林立 防風林の名残が住宅と調和

住宅と調和した黒松アート 古き良き日本の風景

 京成菅野駅を降り、踏み切り脇から菅野2丁目方向へ進むと古い商家と前方に松というロケーション。車の往来がひんぱんだが、黒松を門柱に見立てたり、黒松アートとでもいうべき光景に出くわす。

 菅野住宅は西久保弘道邸跡で、同氏は市川の電話加入者の草分けでもあり、警視総監・貴族院議員・東京市長として活躍し、尾崎紅葉著「金色夜叉」の主人公間貫一の親友荒尾謙介のモデルである。菅野界隈は永井荷風、晩年の幸田露伴も過ごし、文学者と関わりが深い。葛飾が似合う作家といえば永井荷風と池波正太郎が思い浮かぶが、どちらもかつ丼とそばを想起させ、食通として知られた町歩きの達人でもあった。

 菅野2丁目の路地を歩くと、車も容易に進入できない黒松が林立する。瓦屋根に切れ込みが作られ、塀に寄り添う黒松の景観美が見事。木肌も模様のようで、一層趣きを添え、家屋と調和した自然のオブジェのようである。

 元々は住居の境界木として現存している黒松は、風景以上に生活に根を張っている。シンボルでもある黒松だが、一方で舗装した道路から生えているため、根腐れして倒木の危険もあり、止むを得ぬ事情から伐採されるケースもある。

黒松協定スタート 市では保護に積極的

 市川市では黒松を保護しようと、幹回りが60センチを超える約4000本を保護の対象として害虫駆除を行っている。今年から幹回り1・5m以上の木については3年に1度剪定費の一部を補助する黒松協定をスタートさせた。

 黒松が映える板塀や石垣やステンドグラスなど古色を帯びた中に人目をひきつける魅力がある。

 菅野2丁目と並んで新田1丁目や平田1丁目も樹齢の古い巨木が多い。国道14号から平田緑地は鎮守の森。道幅も狭く道の真ん中から堂々と林立していて圧巻の風景である。

 駅から5分と歩いていないのに静謐な佇まいは車社会になれ親しんでしまった現代人にはなおさら。効率ばかりが優先される中、舗装されていない土の踏みごこちと匂い、路地だけに許された歩く楽しさがあり、街の発見につながっていく。所々空き地が目立つが、黒松の似合う町としてその姿を残してほしい。

エリア情報

●菅野地区黒松マップ●

MAP