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小江戸・佐原の夏

 佐原は利根川舟運時代の中継港で、町を縦断する小野川沿いに発展した商業の町である。その川岸には江戸や明治期の町家、蔵が数多く残り、訪れる観光客も多い。今回から千葉県各地の現在を訪ねる「ふるさと紀行」をお届けします。

市内全域を博物館に

土蔵の店・正文堂書店

土蔵の店・正文堂書店

小野川沿いの佐原本川岸付近

小野川沿いの佐原本川岸付近。お江戸見たけりゃ佐原へござれ 佐原本町江戸まさり…の里謡が聞こえてきそうな気がする

樋橋

30分置きに水がジャージャーと流れ落ちる樋橋。その小野川に数年前から秋に鮭が数匹上ってくるようになった。夏の風物詩・柳の枝が浄化されつつある川面に涼を運ぶ

 佐原の古い町並みは、小野川と香取街道が交差する忠敬橋を中心に十文字に展開する。小野川両岸には国指定史跡「伊能忠敬旧宅」や、正上(佃煮土産店)、中村屋商店(荒物・雑貨・畳)、旧油惣の店舗・土蔵、また香取街道沿いには正文堂書店、小堀屋本店(そば)、福新呉服店、中村屋乾物店、三菱館など千葉県の有形文化財9棟が点在する。これらの町家、土蔵、レンガ造りの建築物は江戸末期から明治・大正期のもので、一帯は「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、法的に保存されている。
 土蔵の店・正文堂書店は明治13年建築で明治の大火に耐えた壁厚は30cm。店の奥は真夏でもクーラーを要しない。一方輸入赤レンガを使った2階建て洋館・三菱館は大正3年の建築。旧三菱銀行佐原支店であったが、現在は市に寄贈されて観光案内や無料休憩所になっている。

古い町並み保存

 佐原の町は明治25年の大火で中心部を焼失した。このため町の風格として残る現在の町並みは、大火後に建て直した建築物である。それだけに建築物にはそれほどの古さはないが、取り壊される家もあって、このまま放置すると数十年で普通の町に戻ってしまう恐れがあった。
 これを心配して3年前、市民の手による「小野川と佐原の町並みを考える会」が発足した。会は市内の建物の調査保存計画を立て、市が条令で修復費用の補助金や保存地区の調整を行う。伝統的な建造物が多い中で、個人生活の犠牲を伴わずに調和できるように配慮した。
 市には佐原市全体を保存することによって、市内全域を歩いて回れる博物館にしようという考えもある。ヨーロッパのオールドシティ(城壁都市)のイメージである。お客さんを迎えて市民もお互いに楽しんでいこうという考えだ。

 国もこれを支援するように佐原市を景観形成地区に指定した。国土庁は「水の郷百選」に選び、環境庁は忠敬旧宅前の樋橋を「日本の音風景百選」に選んだ。
 樋橋(とよはし)は江戸時代初期、潅漑用水を東岸から西岸に送るため木製の大きな樋を小野川に架けたものだが、後に大樋を箱型にして丸太の手摺りをつけ、板を敷いて人が渡れるようにした。大樋から水がジャージャーと流れ落ちていたのでジャージャー橋とも呼ばれた。現在の樋橋は平成4年に架け替えたコンクリート製だが観光化され、水は30分置きに放水して訪れる人たちを楽しませている。
 この夏は、2年がかりで日本を一周しようとする「伊能ウォーク」で盛りあがったが、佐原の夏は今年もまた山車が繰り出して賑わった。あやめ祭りには20万人、秋祭りには43万人が訪れる。佐原は活気あふれる祭りの郷でもあった。

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