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高梨兵左衛門さん (野田市)

醤油作りの伝統、肌で感じてほしい

高梨兵左衛門さん(野田市)

高梨さんはキッコーマン相談役のほか、文化・芸術方面で積極的に活動するなど多彩な顔をもつ

 昨年8月、国の名勝に指定された野田市の上花輪歴史館(高梨氏庭園)。当主は野田の醤油醸造の先駆者で30代高梨兵左衛門(ひょうざえもん)さん。地域に根ざした文化を若い人たちにもっと知ってもらいたいと語る。

 

北側書院裏手の大木を山に見立てた遠近法と景観構成が素晴らしい

北側書院裏手の大木を山に見立てた遠近法と景観構成が素晴らしい

レンガ蔵。一歩内に入ると醤油の香気に包まれる

レンガ蔵。一歩内に入ると醤油の香気に包まれる

 寛文元(1661)年、野田で醤油醸造をはじめたのが19代高梨兵左衛門である。その後、幕府の御用醤油に認定され、大正6年には市内の茂木家と高梨家が中心となって野田醤油株式会社(現キッコーマン株式会社)が生れた。創業以来350年近く野田は醤油の町として栄え、当主は数えて30代目。
 高梨氏庭園は平成6年、千葉県内で4番目の名勝指定をうけ、同年に上花輪歴史館としてオープンした。約1万m²の敷地は住宅、門長屋、蔵、茶室、書院などの建物とそれを取り巻く庭園、屋敷林を含む。庭園裏手には構堀(かまえぼり)と船着場があり、水源は湧水を利用している。薬草園をはじめ、庭園内には300種類ほどの植物が植えられ、屋敷全体が指定の対象となっている。
 書院の前庭は芝生に鞍馬石の飛び石を配し、北側のタブの大木を山に見立て遠近感を演出している。「北に山、西に森」を配した風水思想にもとづく。邸宅は昭和初期に改装され、洋間のほか撞球室や理髪室を備え、豪商の館の暮らしぶりがうかがえる。
 「日本庭園の美しさは座敷で正座したときの目線です」と高梨さん。
 景観構成にすぐれ、学術的価値も高いという理由から昨年8月、国の名勝へ格上げとなった。町人の住宅としては、全国で初めて3カ所が指定を受けたが、自己管理しているのは高梨氏庭園だけ。
 「責任を感じると同時に、教育的な意味で若い人たちに伝統や文化を肌で感じてもらいたいですね」

県内初・国の名勝指定に強い責任感
将来は周辺を散策コースに整備したい

 高梨家では代々、地域振興に力を注いできた。醤油醸造によって地場産業の発展につとめるかたわら、23、24、25代兵左衛門は、天明・天保の大飢饉のとき、大量の穀物を放出し、多くの難民を飢えから救った。裏庭にそっと建てられた碑が往時を物語っている。醤油の原料である小麦と大豆の穂をあしらったロゴマークをはじめ、井戸やかまど、醤油作りに欠かせない生活の隅々に神が宿る。そんな敬神の念を忘れない。
 ここまで維持してこられたのも醤油作りがあったからと感慨深げ。
 「住み慣れた我が家だけに四季折々の行事、虫の音、大家族の生活などすべてが思い出です。ただ、これからは多くの人に見てもらうのが役目だと思っていますから」
 将来的には煉瓦作りの醤油仕込み蔵や西側のケヤキ並木を経由して、江戸川畔の下河岸に至る500mの周辺を上花輪歴史館散歩道としたいという夢を持つ。無理に新しいものを作るよりも、長い時間をかけて熟成された醤油作りの伝統を街の魅力につなげていきたいと語る。

上花輪歴史館

野田市上花輪507番地
【開館期間】11月30日まで(12月~2月は閉館)
【開館時間】10時から17時 月、火休館。※祝日と重なる場合変更あり。
TEL:04(7122)2070
入館料 大人500円 6歳~19歳 300円
【交通】東武野田線「野田市」駅徒歩15分。

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