ご家庭のお客さま

 
  • 京葉ガスTOP
  • ご家庭のお客さま
  • 業務用・産業用のお客さま
  • 京葉ガスについて
 
 

皆川貞幸さん (市川市)

心と身体鍛える裸のつき合い

皆川貞幸さん (市川市)

ぶつかり稽古で子どもを受け止める皆川さん。子どもの力を最大限に発揮させたいと土俵に上がる

 相撲を通して子どもたちの心と身体を鍛えたいと、93年に市川市相撲クラブを始めた皆川貞幸さん。その後、県のスポーツ育成団体に指定され、国体選手を輩出するなど着実な歩みを見せている。裸のぶつかり合いから生まれる心の交流がある。

 

中学生になると力の入った四つ相撲が繰り広げられる。「重心を低く、腰を落として!」と檄をとばす場面も

中学生になると力の入った四つ相撲が繰り広げられる。「重心を低く、腰を落として!」と檄をとばす場面も

土俵を掃き清める。礼にはじまり礼に終わる武道精神

土俵を掃き清める。礼にはじまり礼に終わる武道精神

 稽古は毎週市川市塩浜体育館で行う。シコを踏み、すり足など準備運動に余念がない。クラブ生は13人で中学生の2人以外は小学生。低学年からぶつかり稽古をつける。
「よし来い!」と同時に胸元へ飛び込んでぐいぐい押す子ども力士。「ほらもっと、あとひと踏ん張り」と胸を貸しながらじりじりと土俵際に後退する。「その子なりにもてる力を十分発揮したところで土俵を割ってあげるんです」。はねのけると自信をなくすからだ。
 「まず相撲を好きになってもらう。稽古をしながら強くなることを実感してほしい」。勝つための技術というより、集中力、基本を身につける方が大事。ここでは押し相撲が基本で技術的なことは教えない。課題を与えて克服させていくことで勝ち方は自然と身についていくという。
 稽古場にくる子どもたちの表情でその日嫌なことがあったと皆川さんには大体察しがつく。「子どもなりにストレスを背負っているんです」。
 その気持ちを精一杯受けとめてあげたいと休まず稽古をつける。まわし一本裸でぶつかり合う。まっすぐな気持ちを直接肌で感じたいから。「相撲が好きだし子どもが好きなんです」と語る妻の桂子さんは子ども集めを担当。「おとなしそうで体格の大きい子がいたら声をかけるんです。太っていることを悩んでないで相撲に興味を持って自信をつけさせたい」という気持ちからだ。泣き虫だった子どもが稽古によって力をつけて、全国大会でベスト8の成績を残すほど成長した例もある。

技術よりも心。
勝つことよりも自信を
集中力、精神力養う場にしたい

 「今の子は優しさと弱さがともに目立つ。せっかくいいものを持っているんだからきっかけを与えてまっすぐに伸ばしたい」
 行徳小学校4年生の太田智史君は県大会で負けた悔しさからクラブに入った。将来は力士になりたいと夢は大きい。稽古が終わった後、お風呂で汗を流し合うのが楽しみという子どもが多い。
 少子化や学校に土俵がないなど、国技でありながら相撲を取り巻く環境は厳しい。「精神力や集中力、礼儀など相撲を通して学ぶことはいっぱいある。道楽で始めたわけだし、子どもがひとりでもいるかぎり土俵に立ちたい」と語る。
 皆川さんは体格に恵まれなかったこともあり、学生相撲ではつらい思い出しかない。相手のまわしさえつかめず土俵を割った。
 相撲とは縁がないだろうと思っていた矢先、市川市の平田小学校で相撲を指導してくれないかと誘いがあった。
 「学生相撲で楽しめなかった分、今子どもたちと一緒に楽しんでいます」。未来に向かってはっけよい! 元気な子どもたちの声が聞こえる。

市川市相撲クラブ

 93年に専修大学相撲部OBの皆川貞幸さんらが始めた。毎週土曜午後1時から5時まで市川市塩浜体育館の土俵を借りて稽古を行っている。見学は自由。指導は皆川さんのほか元国体選手の政川薫さん。