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木村 瞳さん (柏市)

心の復興、絵本で支援

木村 瞳さん (柏市)

やさしい眼差しが印象的。世界中の民族楽器の研究をしながら翻訳も手がける

 カンボジアに絵本を送るボランティアグループ「ハンカチの木」の代表。内戦で傷ついた人たちに自信と誇りを持ってもらうには初等教育から、と国境をこえたボランティアを続け、子どもの未来に夢を託す。

 

現地での交流もパワーの源ですと木村さん

現地での交流もパワーの源ですと木村さん

カンボジアの孤児院ピースフルチルドレンセンターで祈りを捧げる

カンボジアの孤児院ピースフルチルドレンセンターで祈りを捧げる

 代表を務める木村さんは柏市の住職夫人。寺として20年間カンボジア難民支援を行ってきたが、2年前に自ら現地へ出向いて目にしたのは長い戦禍の犠牲だった。「想像以上にひどい」。自信と誇りを失った尊厳を取り戻す復興作業は初等教育からと思い、2000年6月に「ハンカチの木」を発足した。
 ハンカチは涙をぬぐうだけでなくやさしさを包むもの。ハンカチの木は平和のシンボルでもありますし、教育に生涯を捧げた人の意志を継いで命名しました」その姿勢に賛同し、会員は現在120人ほど。
 大学時代に比較文学を専攻していた木村さんは、読書が育むのは人間の喜びと悲しみに共感する心。その素晴らしさをカンボジアの子どもたちにも知ってもらいたいと思ったからだ。さらに絵本の読み聞かせが就学率を高めるという報告にも後押しされた。
 東南アジア、アフリカでは字が読めないばかりに農薬を粉ミルクと間違えて赤ん坊に与えてしまう悲劇が後を絶たない。識字率をあげることが子どもを救うことに役立つ率直な気持ちが海を越えたボランティアに駆り立てた。
 絵本はクメール語の翻訳シールを1ページずつ手作業で貼り、カンボジアへ送られる。現地では、絵本を手にし目をキラキラさせて手にとる子どもの姿があった。「300人で回し読みすれば本はボロボロ。でも本にとっては幸せなこと」昨年は約500冊の絵本を送った。

内戦で傷ついた自信と誇り回復
支援活動で文学賞設立を

 技術援助に終わらず、自立心と能力を回復するのが目的。深刻な問題を抱えるカンボジアだが、初等教育から次のステップへ導くことが大事という。自らの発案でカンボジアへ出向いて絵本作りの指導も行い、段々と模写から自己表現が生まれるなど手応えを感じはじめている。
 「今はまだゆりかごの状態ですが、ゆくゆくはクメール児童文学賞を設立するのが夢です。カンボジアから素晴らしい絵本や文学が生まれてくれたら」。
 人的交流も深まり、カンボジアで図書館活動するプラング・スー・ソヴァンさんもその一人だ。ソヴァンさんは昨年柏で講演会を行い、「子どもにとって絵本は世界共通のキーワード。カンボジアの平和な未来はきっと子どもたちが築いてくれる」と結んだ。
 ボランティア活動でこうした仲間づくりが出来たのもうれしいですが、カンボジアの人たちにパワーをもらうことのほうが多いという。
 「物質的には貧しいですが、現地の子どもたちはひとつのものをみんなで分かち合う心が豊かです」
 絵本研修や交流を重ねる一方で、木村さんは絵本を自ら創作。「ドジな魔女のたまごトワ」は修行中の魔女が川で溺れた子どもを助ける物語だ。
 子どもの未来と心の復興は教育からと願ってやまない。「多くの人の協力が一番の支え」。
 絵本という想像力の翼をひろげ、海を越えたボランティアは続く。

  • ●ハンカチの木の連絡先  TEL:04(7132)5868