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森谷糸さん(伝統的工芸品 とんぼ玉)

初期のとんぼ玉のイメージを、和の感覚で表現したものが彩色玉です

〔A〕の形をこてで整える森谷糸さん。

〔A〕の形をこてで整える森谷糸さん。工程は、鉄の棒にクリアガラスを巻きとる→白の細引きしたガラスをのせ、さらにクリアガラスを巻く→ねじりながら細長く引っ張ってレースを作る→玉のベースになるガラスを鉄の棒に巻きとる→レース棒を溶着する→出っ張りを熱を加えながら埋め込む→形を整え灰の中で冷ます

 とんぼ玉とはガラスを用いて複数の色で紋様を施し、紐などを通す穴をあけた玉のことで、とんぼの複眼に似ていることが日本名の由来とか。反射と透過……ガラス特有の神秘性に魅せられ、とんぼ玉創作を始めて28年。独自の作風を切り開き、個展や展示会で活躍する森谷糸さんを千葉市の工房に訪ねました。

森谷 糸さん

森谷 糸さん
 1979年とんぼ玉とガラスの絵付け創作を開始。1981・82年三軌展入選。以降、個展や高島屋の展示会などで活躍。書籍にも作品が紹介される。2002年、千葉県伝統的工芸品に指定。
住所/千葉市若葉区

 
 

彩色玉のネックレス。ガラスとは思えない温かみのある質感が特徴

彩色玉のネックレス。ガラスとは思えない温かみのある質感が特徴

玉の中に糸のように細いレースと花模様を封じ込めた作品。

玉の中に糸のように細いレースと花模様を封じ込めた作品。森谷さんは子どものころから植物画を描き続けており、こうした紋様は得意な分野。※工房にギャラリーを併設。オープンは毎月10日~20日。
千葉市の工芸職人
  • ◆節句人形/岡村洋一さん 節句人形の頭師。桐粉で地型を作りニカワで溶いた胡粉を何度も塗り仕上げる。
  • ◆籐椅子/古島定男さん 籐職人の義兄から技術を学び、独立して製造販売を始め49年になる。
  • ◆籐家具/古島一良さん 父・定男さんのもとで修業を重ね2代目後継者として活躍。
  • ◆へら浮子/碇博さん へら鮒釣り用の浮きを製作。雅号は「鳥海凡舟」
  • ◆江戸蒔絵/深山琳さん 錆上げ高蒔絵の技法で、櫛など古典的なものから現代的なアクセサリーまで製作。

ガラスパウダーを用いた新しい技法

 色と模様に工夫を凝らしたとんぼ玉の歴史は古く、紀元前15世紀ころに遡る。メソポタミア、エジプト、地中海沿岸で作られるようになり、美しい玉を求める古代の人々の交易で世界に広まっていった。日本でも正倉院の御物の中にそれを見ることができる。
 江戸時代、大坂で盛んに作られたとんぼ玉だが、ここ10年ほどの間にガラスアートの分野として活躍する多くの作家が誕生。作品の中に繰り広げられる繊細で色彩豊かな小宇宙は、見るものの心をとりこにする魅力に溢れている。
 そんな中、森谷糸さんの作品は、日本の着物の柄や色合いを基調とし、手にとって見ていると、どこか懐かしい雰囲気と温かな質感が伝わってくる。お手本は、ガラス史の初期に作られたとんぼ玉・ファイアンスの風合い。
 「それは土が混ざっているためもろいので、その優しさと美しさをガラスだけを用い、和のテイストで表現したいと思っています」
 そのための工夫がガラスパウダーによる技法。この作品を自ら「彩色玉」と呼ぶ。ガラスパウダーは、もと玉に混ぜたり、上に塗ったり、絵を描いたり、削ることもできる。「ガラス棒や塊を溶かして模様を作り象嵌するのが一般的で、ガラスパウダーを使う分野はあまりなかった。どこまで表現できるか研究中です」。

ガラスの強さと繊細さ2面性が魅力

 30代前半、好きなガラスで何かをしたいと思っていた森谷さんは、偶然、雑誌でガラス細工の第一人者、飯降喜三郎氏を知る。氏が日曜日に私的にとんぼ玉を2、3個作るのを見ることだけが許され、東京から大阪の工房まで夜行バスで10カ月ほど通った。
 「飯降さんは自分の話はしますが、質問すると黙ってしまう。でも、必要だと思うことは教えてくれたんだと、一人で始めてみて思いましたね」
 その後も宙吹きを体験したり、試行錯誤の連続で悩むことしばしば。そのおかげで体得したことも多く、独自の世界を切り開く糧になったと振り返る。「月謝を払って習ったことはないんです。それがよかったと今、思います」。
 「ガラスは強い反面、琴線に触れると壊れてしまう繊細なところが魅力。人の心と通じるものがありますね」とバーナーに向う森谷さん。11月30日から12月6日まで柏高島屋の食器コーナーで作品展を行う。教室を主宰し、後継者の育成にも努めている。
電話043(237)7799