ご家庭のお客さま

 
 

安定したガスの炎で焼く 熟練の技凝縮のマカロン

心ときめく、職人の技から生まれたスイーツ

マカロンを挟むガナッシュ作り

 都市ガスの炎と向き合い、良さを生かして心を込めた逸品を生み出すプロがいます。その技術や知識と道具に着目するシリーズ。駅前から少し離れた住宅街の一角で、菓子作りに情熱を注ぐシェフやパティシエたちが生み出す、ハイレベルなスイーツの店を訪ねました

 

「抹茶」のマカロンを制作

取材中は「抹茶」のマカロンを製作。ミキサーが回転し、卵白を泡立ててメレンゲを作る。時間を掛けすぎると、摩擦熱でだらっとしてしまう。かといって早く立ち上げすぎてもボソボソになる。さらに砂糖を入れるタイミングを誤ると、生地がねっとりしてしまうという。固さ、ツヤ、量などを総合的に判断し、ベストな具合に仕上げるには、相当の修業が必要だという

デポジッターで均等に絞り出す

完成したメレンゲにアーモンドパウダーや粉糖、抹茶などを入れ、理想の固さになるまで混ぜ合わせた生地を、デポジッターと呼ばれる機械で均等に絞り出す

ラックオーブンで、一気に500~550個分の生地を焼く

都市ガスのラックオーブンで、一度に500~550個分の生地を焼く。焼き具合をチェックするのは、シェフの教えを受けた崎川洸二さん

「ハロウィンマカロン」を並べる

コウモリの絵柄が描かれた「ハロウィンマカロン」(3個入り810円)を並べる、シェフの江崎さん

鮮やかな色づかいのマカロンが並ぶ

「抹茶」をはじめ「シトロン」「カシス」「ミント」などが並ぶ。鮮やかな色づかいが楽しいマカロン(1個179円~)

シェフ 江崎 浩さん

フランス菓子 シェ・シーマ 本八幡アトリエ店 シェフ 江崎 浩さん/同店5代目シェフ。小学生の頃、パン菓子作りに目覚めるも、スポンジだけがうまく焼けず、専門的に学ぼうと菓子作りの道へ。スイーツに向けるひたむきな情熱から、国内外で修業を積み、数々のコンクールで入賞を果たす。

冷めない情熱で名店のシェフへ

 市ヶ谷本店の他、伊勢丹新宿店や松屋銀座にも出店する有名店「シェ・シーマ」。工房「本八幡アトリエ店」には、生チョコブームの先駆けとなった「銀座の石畳」をはじめ、カラフルなフランス菓子が並びメルヘンの世界へと誘う。
 シェフの江崎浩さんは、子どもの頃から菓子作りに没頭し、都内の洋菓子店で勤務後、渡仏。多くの一流職人を生み出した名門「ル・コルドン・ブルー パリ校」に留学した。さまざまな経験を積む中、現地で店を構える師に見込まれ誘われるが「経験を生かし、自分カラーのお菓子を作りたかったので、お断りしました。店を手伝うと冒険ができないから」と、自分流を貫いた江崎さん。
 帰国後、赤坂でパティスリーを立ち上げるが、一時は国内外での材料の違いに悩んだという。一念発起して、素材の知識を一から学び直し、腕にも磨きを掛け、平成24年、同店の5代目に就任した。その集大成が、今、ショーケースを彩るスイーツたち。自身の技術で多くの人たちを喜ばせる……これこそ、江崎さんが望んだ道だった

伝統と自己流を備えた菓子作り

 同店で特に人気なのが、季節限定「里の秋」を含め、12種の味がそろった「マカロン」だ。家庭用のレシピが普及し一見簡単に作れそうだが、実は作業条件や製法などのちょっとした違いで仕上がりが変わりやすく、特に職人の腕が試される菓子なのだという。
 生地作りの最中、材料を加えるタイミングや、かき混ぜ方にマニュアルはない。色、ツヤ、固さなどで総合的に判断するというが、それ以外の口では語られないコツは、作り手だけが感覚で理解している。「素材が同じでも、作り方次第で全く違うお菓子になる」という言葉にも納得だ。
 そんな職人の仕事を、都市ガスの炎が支えている。「生地を焼く途中、温度の上げ下げをするのですが、望む温度への反応が素早い。火力も安定性があっていいですね」。手早さを求められる仕事には、欠かせない設備だとも。
 こうして生まれたマカロンは、口の中でホロリととろける食感と共に、日本人好みの優しい甘さが広がって、上品さを感じさせる逸品。ギフトとしても喜ばれる、ロングセラーの人気を誇る商品だ。
 取材中「実は今日のマカロン、少し材料を変えていて」と江崎さん。大きい変化ではなく、反響を見ながらも、少しずつ理想とする味に近づけているという。もちろん、マカロンだけに限った話ではない。「伝統を守りながらも、オリジナリティーを追求したいですからね」と話す横顔に、現状には決して満足せず、日々研究を重ねながら取り組む真摯な姿が垣間見られた。

低・高脂肪分の生クリームを混ぜ、長所を生かして泡立てる
市販の生クリームを見ると、乳脂肪分35%か45%が並んでいることが多い。低脂肪は口当たりが軽い反面泡立ちにくく、高脂肪は泡立ちやすいがパサパサしやすいと長所短所があるため「作る分量に対し、半分ずつ混ぜると失敗しにくいですよ」と江崎さん。なお、冬場でもボウルの底に氷を当ててホイップすることで、いっそう滑らかなクリームが完成する。

フランス菓子 シェ・シーマ 本八幡アトリエ店

閑静な住宅街の一角に現れる、赤いテントと大きなケーキのイラストが目印。2階の店舗には、創業当時からのベストセラーケーキ「クレーム・アンジュ」(562円)を筆頭に、かつて経済紙のデパ地下シュークリームランキングで全国2位に輝いた「シュー・ア・ラ・シーマ」(303円)、かわいいメレンゲ菓子「リヨンの繭」(195円)などが並ぶ。
※記事内は全て税込み

TEL/047-379-3003
住所/市川市平田3-5-27(JR「本八幡駅」南口から徒歩10分)パーキングあり
時間/10:00~18:00
※第2水曜日定休

 

フランス菓子 シェ・シーマ 本八幡アトリエ店 フランス菓子 シェ・シーマ 本八幡アトリエ店 フランス菓子 シェ・シーマ 本八幡アトリエ店