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GENBA
INTERVIEW 07
第1種内管工事士
栄工業株式会社
2013年入社

加藤万史

現場では、
欲張るな。
考え込むな。

CHAPTER 01 培ってきた現場力を活かしたい

加藤さんは入社されて7年目ですが、それまでどんな仕事をされていたのですか?

加藤

ずっと、ものづくりの現場で働いていました。扱う商材もさまざま。初めは液晶パネルの製造ラインで、その後医療機器、業務用の冷蔵庫など。ガスの業界も含めて、現場仕事には30年携わっています。

なぜ、ガス業界への転職を決めたのですか?

加藤

ちょうど、製造ラインの設備の1つに水道管を扱うことがあり、そこで「ライフラインを支える現場」というものに興味を持ったのがきっかけです。これまで培ってきた現場力を何らかの形で活かすこともできるのではないかと考えていました。

実際に転職してみていかがですか?

加藤

製造ラインでは、100分の1ミリが仕様に影響する世界。ガス工事では、1ミリの世界ですが、それでも目には見えない「危険」を伴う作業。それぞれに難しさがあるのだと実感しましたね。一方で「次工程はお客さま」の精神など、活かせる点もありました。

「次工程はお客様」とは、どんな考え方なのですか?

加藤

自分の作業を終えるとき、ひと手間かけて、次に作業に入る人がやりやすいように整えておくことです。特に内管工事には、ガス工事の他にも水道や電気の工事業者も現場に入ります。同業者だけでなく他業者さんが天井や床を開けたときに「作業がやりやすくて助かるな」と、感じてもらえるよう空間を整えておくことを意識しています。

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CHAPTER 02 設計図より、過去の事例より、現場が優先

他業種からの転職を経て、7年目。現場での仕事でどんなことを学びましたか?

加藤

いまだに、毎日が勉強ですよ。新築であれば、ある程度決まった方式に従って作業すれば良いのですが、既存の戸建て住宅のガス管取り替え作業などは現場に行って確認するまでどうなっているのかわからないのですから。

設計図の通りでないときもあるのですか?

加藤

もちろんあります。設計図がすべて正しいとは限りません。目の前にある現場の状況が最優先。設計図を書いてくださる設計士さんにも現場の状況を伝えて、どう進めていくとスムーズに終えられるかを判断しながら作業しています。

ほかにも現場の状況が作業に影響することはありますか?

加藤

天候も作業に影響しますね。特に、最近扱っているガス管は接合の際に水分が影響を及ぼすことになるため、雨が降っていては作業ができません。現場の安全優先は第一ですが、工期との兼ね合いもあるためその判断に悩むことはあります。

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CHAPTER 03 小さな気遣いでも、きっと届いている

仕事をしていて、どんなときにやりがいを感じますか?

加藤

やはり、お客さまから「ありがとう」と言われるときですね。お客さまの家の中で作業することもありますが、そのときはなるべく作業スペースを広げずに整理整頓するようにしています。工事が終わった後に、散らかっていたり、部屋が汚れていたら嫌ですよね。小さなことですが、お客様の気持ちを考えたスマートな仕事を心がけています。

現場で作業する上で、大切にしていることはありますか?

加藤

「欲張らない」ということでしょうか。その日の現場に行けば、色々と考えて作業をしたくなると思います。しかし、私は現場に着いたら考え込まず、欲張らず、やると決めたことだけをとにかく完璧にやることが重要なのではないかと。「あれはどうしよう」「こうしようか」と気を散らすよりも、目の前の作業に最大の力で取り組むほうがいいですよ。

若者たちにも、そんな風に頑張って欲しいですね。

加藤

そうですね。若い方たちにも欲張らずコツコツ頑張って欲しいです。「0」が急に「100」になるわけないですから、毎日少しずつ疑問や不安を解決して、知識と技術を身につけていってほしいです。

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休日の過ごし方

仕事の影響もあってか、DIYが好きです。最近は、家族に頼まれて自転車を直したり、ガス台を修理してあげたり。試行錯誤しながら、1つのものをつくっていくのは楽しいですね。